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オフィス移転には、やるべきことが山積しています。数多くのタスクが複雑に絡み合っているため、適切なスケジュール管理が求められます。しかしながら、オフィス移転の際に「想定よりも時間がかかった」というケースも多く耳にし、その理由は共通していることが多いのです。今回はその「オフィス移転におけるスケジュールのポイント」について解説します。

オフィス移転のおおまかな流れ。どこで時間がかかるのか?

オフィスの移転スケジュールについては、別記事でも解説していますが、大きく下図のような流れになります。

オフィス移転の一連の流れの中で、想定以上の手間がかかるポイントとして、よくあげられるのが、「移転先の選定・分析」「内装工事」「引越し作業」の3点です。以下では、それぞれについて解説していきます。

 

※オフィス移転のスケジュールについては、下記の記事も参照してください。

 「オフィス移転のスケジュールを立てる時のポイントは?必要タスクと流れを解説」

https://office.tatemono.com/magazine/detail/4907

 

「移転先の選定」で時間がかかる理由と対策

まず時間がかかるのが「移転先の選定」です。オフィス移転を考え始めてから、移転先を探すのが一般的な流れです。オフィス移転における最初の関門と言っていいかもしれません。新オフィスを探す場合、条件としてあげられるのは以下のようなものになるでしょう。

  • 立地
  • オフィスの広さ
  • オフィスの設備
  • 賃料

他にも様々な条件が考えられますが、上記の4点は極めて重要です。そして、この条件が完全に合致するような物件は、すんなりとは見つからないでしょう。条件に合う物件を探していると、一ヶ月二ヶ月は当たり前、半年や年単位で時間が経ってしまうケースもあります。最近ではセキュリティ要件や社員満足度に影響する様々なオフィス設備など、オフィスに求められるスペックも多様化しています。条件をすべて満たすオフィスがなかなか見つからないことは、珍しくありません。

この課題に対応するには、条件に優先順位をつけることが重要になります。そのためには、「そもそも、オフィス移転が検討された理由」にさかのぼる必要があります。 例えば「現在の賃料が高く、コストダウンしたい」という理由であれば、第一優先は賃料であり、他の要素で何を妥協できるかを考えることになります。また、賃料の問題に加えて、「現在のオフィスの更新が迫っており、更新後の賃料が高いので移転したい」という背景であれば、先の賃料と同レベルで「タイムリミット」があることになります。

他にも、「現在のオフィスでは取引先が求めるセキュリティ要件を満たしていない」のであれば、セキュリティ設備の充実が優先ポイントになるでしょう。従業員の不満解消が目的であれば、何が不満なのかを把握し、そこに対応できるオフィスが優先されます。オフィス選びには想像以上に時間がかかります。しかし、「なぜオフィスを移転するのか」という理由が明確であれば、新オフィスの条件も優先順位をつけることができ、迷走せずにオフィス選びを進められるでしょう。

 

以下関連記事

「オフィスから考えるセキュリティ対策とは?」https://office.tatemono.com/magazine/detail/5869

「社員満足度を上げるオフィス設備・機能のヒント」https://office.tatemono.com/magazine/detail/4889

「ビジネスチャンスにつながる!企業成長をもたらすオフィス立地の重要性」https://office.tatemono.com/magazine/detail/6177

 

 

「内装工事」で手間取ってしまう3つの要因

新オフィスが決まったあと、大きなポイントになるのが「内装工事」です。内装工事が思うように進まなくなる理由は大きく3つあります。

1.オフィスのレイアウト・デザインが決まらない

そもそも、新オフィスをどのようなデザインにするのか、各部署の配置や基本デザインなど、これらを決定するだけでも相当な時間がかかります。各部署の希望を聞き、調整していくことも必要ですし、実現可能かどうか、施工会社、設計会社との折衝も必要です。あらかじめ新オフィスに求める仕様、コンセプトが明確でないとここでも多大な時間が消費されます。規模によってはコンサルティング会社に入ってもらい調整するケースも珍しくありません。このオフィスレイアウトデザインに関して、基本計画、基本設計、実施設計までで、年単位の時間がかかるケースもあるのです。

2.内装工事会社選定に時間がかかる

1.のレイアウト・デザインの決定には、内装工事会社の関与が不可欠です。しかし、この工事業者がなかなか決まらないというケースがあります。最近では、建築資材の高騰、人材不足などから、見積金額が合わないといったケースもあり、これもなかなか工事業者が決まらない一因になっています。

3.入居前の内装工事自体に時間がかかる

工事業者が決まっても、工事そのものに時間がかかるケースが増えています。内装工事は、オフィスの賃貸契約を結んだあとに行うことが一般的です。そのため、内装工事期間中は、従来のオフィスと新オフィスの賃料、そのどちらも負担することになります。フリーレント期間などがある場合もありますが、この内装工事期間をできるだけ短縮することも大切なポイントです。この内装工事期間が長引く要因には、人材不足で職人が集まらない、必要な資材の調達に時間がかかるなど、複数の要因が絡んでいます。内装工事での課題には、人材不足や資材高騰といった外的要因も影響してきます。その影響を最小限にするためにも、デザインやレイアウトの決定にかかる時間を適切に想定しておく、予算に幅を取っておくといった対応が求められます。

「移転作業(引越し)」にも事前準備が重要

移転先のオフィスが決まり、内装工事も目処が立つと、最後の関門が待っています。移転作業、つまり引越しです。これにも時間がかかってしまうのです。なによりも、「引越し業者」のスケジュール確保が大きな課題になります。まして、繁忙期に当たると、何社か相見積もりを取ろうにも、見積もり参加の段階で断られることさえあるのです。これも対策は「早めの対応」になります。早い段階で引越し業者に当たりをつけ、内装工事の進捗を見ながら正式発注をするといった対応が必要です。 「工事が終わってから」といった対応をしていると、工事は終わっているのに引越し業者が見つからず、移転ができないというケースが起こり得ます。そうなると、旧オフィスの解約も遅れ、賃料負担が大きくなることも起こり得ます。

まとめ

オフィス移転のスケジュールで気をつけるポイントは、本記事で解説した大きく3点がありますが、その対応策は「オフィス移転の目的を明確にし、優先順位をつけておく」「スケジュール全体の流れを把握し、先手を打つ」の2点に尽きると言えます。 オフィス移転は大きなプロジェクトだということを理解し、マネジメントをしていく必要があるのです。

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