よく耳にするオフィスへの悩みの一つに「狭い」というものがあります。たとえば、業績が好調で人員を増やしたいのに、現在のオフィスでは手狭になってしまうケースです。しかし、すぐに条件にあった移転先が見つかるとは限りません。そんなときは「今あるオフィスをできるだけ有効に活用する工夫」をする必要があります。今回は、そんな今あるオフィスを広く使う工夫について解説します。
どれくらいなら狭い?オフィスの広さの基準とは?
オフィスの広さは、法律で基準が定められています。厚生労働省『事務所衛生基準規則』が定める最低限の一人当たり面積は、約1.4坪(約4.8㎡)です。しかし、これはあくまでも法令が定める最低基準です。適切な執務スペースを確保し、会議室なども配置していくと、実際には一人当たり2~4坪は必要だとされています。※オフィスの広さについては、下記の記事もご参照ください。
「オフィス移転時に検討したい、一人当たり適正面積の算出方法を解説」
https://office.tatemono.com/magazine/detail/4896
オフィスが『狭い』と感じる要因は、単純な面積不足だけではありません。実際には、「会議室が足りない」という不満が、その一因になっているケースも少なくありません。特にコロナ禍以降はオンライン会議が一般化し、一人、あるいは少人数で会議室を使うケースが増えています。そのため会議室が埋まってしまうという悩みがよく聞かれるようになったのです。その対策として、一人で使うオンライン用ブースを導入する企業もあります。こうしたオンライン会議用ブースも一定のスペースを取るため、結果としてオフィスの手狭感を助長している可能性があります。
手狭だと感じるオフィスへの対策とは
オフィスが手狭だと感じられた場合、対策としてもっとも有効な手段は「オフィス移転」です。しかし、前述の通り、条件に合った移転先を見つけ、移転を実行するためには、それなりの時間を要します。そこで、オフィス移転を行う前に検討できる、比較的手軽な対策を紹介します。
・レイアウトを見直す
現在のオフィスレイアウトを見直して、無駄なスペースを削減することです。ある程度の期間、オフィスレイアウトを変更していない場合、最新の人材配置や需要とあっていない可能性があります。オフィス家具の配置を変更する、またオフィス家具を必要最小限に絞ることでも、スペースの有効活用が可能になります。
・フリーアドレスを導入する
一人一人に固定席をあてがうのではなく、フリーアドレスを導入することで、オフィスのスペースを有効活用することが可能です。在宅勤務やテレワークで出社していない人の座席を削減できる、外回りが多い営業担当の座席を抑えることができるなどのメリットがあります。この場合は、出社率などを計算して適正なオフィスレイアウトを考える必要があります。
・一つのスペースを複数用途で使用する
先述のように、会議室の不足も今、大きな課題になっています。そこで会議室と応接室の区別をなくす、会議室を分割してオンライン会議用のスペースを増やすなど、実情にあった運用に切り替える方法があります。会議室の実際の使用状況を正確に把握することで、適正な活用が可能になります。
本当に必要なスペースに絞り込み、外部施設も活用する
ここまで紹介してきた対策は、「今あるオフィスの使い方を見直す」ことに主眼を置いたものでした。
さらに一歩進めて、「本当に自社内に必要なスペース」と「外部で代替できるスペース」を切り分けて考える、という視点もあります。
その具体策の一つが、会議室や応接室、オンライン会議用ブースといった共用スペースを、必要に応じて外部に委ねる方法です。
これらの共用スペースは、実際には使われていない時間が思っている以上に多い一方で、使いたいタイミングに限って予約が重なり、利用できないケースも少なくありません。会議室の数を繁忙期に合わせれば過剰になり、閑散期に合わせれば不足する――こうした運用上のジレンマを抱えている企業も多いでしょう。
そこで、近隣のレンタルオフィスなどが提供する会議室を活用することで、自社内に設ける会議室の数を抑え、その分、執務スペースを広く確保することが可能になります。場合によっては、オフィス全体の面積を見直し、コスト削減につながるケースもあります。
外部の会議室を利用すれば、自社オフィス内に余分なスペースを抱える必要がなくなり、会議室の利用料も「使った分だけ」の負担で済みます。オフィスが手狭になったからといって、すぐに移転という大掛かりな対応を取らなくても、比較的短期間で効果が期待できる現実的な選択肢と言えるでしょう。
実際に、入居しているオフィスビルに共用の会議室が備えられているケースや、同じビル内にレンタルオフィスが入居しているケースもあります。こうした外部リソースの活用も視野に入れながら、自社にとって最適なオフィスの在り方を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
会議室などのオフィス共用部を外部に委ねるという考え方は、オフィスのコスト対策だけでなく、働く環境の質を高めるうえでも有効な選択肢です。
例えばオフィス移転を検討する際、テナント向けに会議室レンタルや共用スペースを備えたオフィスビルを選ぶことで、専有面積を抑えつつ、必要な機能を確保できる場合があります。その結果、限られた予算の中でも、オフィス全体のグレードアップを実現できる可能性が広がります。
オフィス移転をご検討の方へ


