目次
ビジネスの発展、生産性向上のためには、社内組織の活性化が欠かせません。そこで重要視されるのが「コミュニケーションの活性化」です。オフィスでのコミュニケーションの活性化は、アイデア創出やストレス解消、さらには従業員満足度の向上にもつながります。そんな中、コミュニケーション活性化に関するユニークな施策の一つとして、「オフィスでのサウナの活用」があります。今回は、そうした取り組みを行う株式会社タマディック様にお話を伺いました。
サウナ大国フィンランドでは「ビジネスでサウナ」は当たり前
サウナとビジネスの組み合わせに驚く人もいるかもしれません。日本では「ととのう」という言葉とともにサウナは広く普及しており、個人でサウナを楽しむ方も少なくありませんが、「仕事で?」「オフィスで?」と疑問を持つ人も多いでしょう。ところが、サウナ大国フィンランドでは状況が異なります。フィンランドでは人口530万人に対して、300万のサウナがあると言われています。
ビジネスシーンでもサウナは当たり前にコミュニケーションの場として活用され、例えば、政府機関の外交の場としても活用されているのです。
※参考:「フィンランド式 サウナ外交」社団法人日本サウナ・スパ協会
かつては仕事の後に居酒屋でコミュニケーションを図る習慣も一般的でしたが、リラックスした場はコミュニケーション活性化に有効です。その観点からも、サウナはビジネスシーンにおいても有効であると言えるでしょう。
今回は、東京建物株式会社が運営するTOTOPA都立明治公園店を社内研修の一環でご利用いただいた株式会社タマディックの代表取締役社長 森實敏彦様にお話を伺いました。
※TOTOPAとは…2024 年 3 月にオープンした都市型スパブランド。第1号店は都立明治公園内に開業。都立明治公園店は、今行くべき全国のサウナをランキング形式で発表する「SAUNACHELIN(サウナシュラン)2024」にて、第1位を受賞。
ニュースリリース「都市型スパの新ブランド「TOTOPA」誕生・・・」 https://tatemono.com/news/20240129.html
ニュースリリース「SAUNACHELIN 2024にてTOTOPA都立明治公園店が全国第1位を受賞!」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000152657.html
※インタビューに答えていただいた㈱タマディック 森實社長
仕事終わりにサウナでコミュニケーションを。 社内外のコミュニケーション活性化を実現
株式会社タマディックは、1959年設立の総合エンジニアリング企業です。同社の森實社長は、東海エリアの拠点であるタマディック名古屋ビルにサウナを取り入れるなど、ユニークな取り組みを積極的に推進しています。今回は同社の東京地区の研修において、東京建物が運営する都市型スパ TOTOPA都立明治公園店をご活用いただきました。座学での研修を実施したあとに、サウナに入ることで、フレッシュな状態でのアイデア出し、意見交換を期待しているとのことです。
今回は、森實社長に名古屋ビルにサウナを取り入れたきっかけを聞いてみました。
「サウナは具体的に何かを解決しようと思って導入したわけではないのです。私自身がサウナ好きで、10年以上の愛好歴があります。サウナに入ると体調も良く、頭もスッキリし、アクティブになる。友人も増え、メリットを感じています。それがオフィスで活かせると良いと考え、オフィスにサウナというアイデアが浮かんだのです。フィンランド視察の際も、サウナを活用している企業の方々が生き生きとして見えたのです。」
2022年にサウナを導入して数年が経ち、森實社長は、社員間のコミュニケーション活性化の効果を実感していると言います。
「オフィスでサウナを利用しているのは、全従業員の2~3割程度です。仕事終わりにサウナに入り、コミュニケーションを取ってから帰るケースが多く、部署を超えた交流の場にもなっています。」
サウナ利用者が広がり、本音でのコミュニケーションも実現
社内で仕事の後にサウナに入ると、リラックスした環境で「さっきは、言いづらかったのですが…」などと、本音が出てくる場面も多いようです。また、社内コミュニケーションに加えて取引先とのコミュニケーションにも変化が見られているようです。
「以前は取引先に出向くことが多かったのですが、現在はお越しいただく機会が増えています。商談の後にサウナに入ってもらうこともあります。サウナがあることで一度訪問してみたいという話題になりやすく、お取引先との円滑なコミュニケーションにも貢献していると感じています。」
同社ではさらに、利用者の範囲を広げています。
「2024年8月から『友達サウナ』という制度を始めました。これまでは従業員と取引先が利用対象でしたが、現在は従業員の友人まで拡大しています。この制度は好評で、予約がたくさん入っています。友人を呼んだ従業員も喜んでおり、エンゲージメントの向上に寄与しています。」
森實社長によると、若い世代は「サウナネイティブ」であり、同僚同士で定期的にサウナに通う文化が根付いているそうです。悩み相談の場となったり、余暇の話題が出たりすることで、緩やかなコミュニケーションが生まれているとのこと。同社では、事業報告会や研修後にサウナを利用することが一般化しており、公式な場では出てこないような本音のコミュニケーションが生まれていることが、大きなポイントだとしています。
取材の場でも感じたビジネスツールとしてのサウナの魅力
取材中も、サウナに入ってリラックスし、社員の方同士が楽しそうに談笑する場面がありました。
当日はAIについての研修後、サウナでリフレッシュ&コミュニケーションという流れでした。サウナに入ってスッキリとした頭でさらにブレストをするなど、ただリラックスするのではなく、仕事にも活かされていると感じました。
オフィスにサウナがない会社でも、このように施設を貸し切り、社内研修やイベントに活用していく事例が今後は増えていくのではないかと感じました。
※サウナでブレストしたアイデアを付箋に書いている様子
※サウナ室内でのブレスト・コミュニケーション(森實社長と社員の皆様)
まとめ
サウナは単なるリラックス空間を超え、コミュニケーションを活性化し、企業の成長を促す新たなツールとなりつつあります。
簡単に導入できる取り組みではありませんが、都市部のサウナを活用することも検討できるでしょう。コミュニケーション活性化の取り組みは多様で、各企業に合った形があるはずです。
※「TOTOPA」公式サイト https://totopa.jp/