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新型コロナウイルス感染拡大によりリモートワークが浸透したことで、私たちの働き方に大きな変化が生まれました。ポストコロナ社会へ移行している中、オフィスには新たな価値の提供が求められています。

この記事では、ポストコロナで働き方が変化した今、あえて「出社したい」と思うオフィスはどのような形なのかについて解説していきます。社員定着率や、社内コミュニケーションに課題を感じている企業の方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。

ポストコロナで働き方はどう変わった?

ポストコロナでは、従来の働き方を変えたコロナ禍からのさらなる進化が求められています。リモートワークでみえてきた課題とポストコロナで取り組むべき働き方について解説します。

浸透したリモートワークと出社回帰傾向

コロナ禍による感染症対策や外出自粛のためリモートワークが浸透した日本ですが、新型コロナウイルスが5類感染症に移行されたことで、社員のオフィスへの出社を増やすように求める企業が増えてきています。

ニッセイ基礎研究所などによる「コロナ禍におけるオフィス出社動向」の分析資料を見てみると、東京のオフィス出社率推移はコロナ初期と比べてゆるやかに回復傾向にあることがわかります。

出典:コロナ禍におけるオフィス出社動向-携帯位置情報データによるオフィス出社率の分析 |ニッセイ基礎研究所 https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=74887?pno=2&site=nli

出社回帰が求められている要因のひとつとして、リモートワークによるコミュニケーションの取りにくさがあげられます。
また、リモートワークでは企業の帰属意識が低下しやすい点も。社内の一体感が薄れてしまい人材定着率に影響し、企業の成長を止めてしまうことも考えられます。

ちなみに欧米諸国でも同様の傾向が見られ、オフィスへの出社とリモートワークを組み合わせた柔軟な働き方を採用している企業が増えているようです。

ポストコロナで求められているオフィスの形とは

ポストコロナでは、今まで通りのオフィスの形ではさまざまなリスクを背負うことになります。これからは具体的にどのようなオフィスの形が求められるのでしょうか。

オフィスは単なる「空間」ではなく「体験」を得られることが重要視されている

ポストコロナにおけるオフィスは、コロナ前とは違う新たな価値を提供する存在へ進化しなければいけません。そのひとつとして、社員が「魅力的だ」と感じられる空間づくりがあります。
ただ出社してルーティーンワークをこなす場所ではなく、プレゼンや交流のための場となり、好奇心を刺激し共感性を持てるようにすることが重要です。

内田洋行の調査を見てみると、今後のオフィスの価値として「ブレストやディスカッションなどでの知的生産性向上」「フォーマルなコミュニケーション」「仕事へのモチベーション」など、他者交流や帰属意識につながる目的を求められていることがわかります。

出典:【アンケート調査レポート vol.1】テレワーク時代のオフィスのあり方とは? [コラム] -  オフィス分野|内田洋行 https://office.uchida.co.jp/workstyle/telework/column_006.html

このように、社員によりよい「体験」を得られるようにすることが、ポストコロナで求められるオフィスの形だといえるでしょう。

新たな価値を実装したオフィスの事例 株式会社電通デジタル

働く環境を工夫し、オフィスへ新たな価値の実装する取り組みを進める企業が増えています。

ここからは、社員がよりよい「体験」を得られるように、多様なコミュニケーションを生む仕掛けのあるオフィスづくりを実現している株式会社電通デジタルの事例を紹介します。

同社の次世代型新オフィス「汐留PORT」は、「第35回 日経ニューオフィス賞」において 、応募総数131件の中から1件のみに贈られる「経済産業大臣賞」を受賞し、快適で機能的なオフィスとしても評価を得ています。

以前のワークプレイスはオフィス一択に近い状態でしたが、今はオフィスが選択肢の1つになりました。

それを踏まえて、オフィスのコンセプトを「REAL empowers us.(リアルな世界が、私たちを強くする。)」と定め、必要な機能を実装するためにオフィスがリニューアルされました。

リニューアルされたオフィスで特徴的なのは、「社員の多様な動き、共感を生む」ことをイメージして設計された8階の社内フロアです。社内フロアは完全なフリーアドレスではなく、あえて領域ごとの組織単位で社員が集まるエリア「チームホーム」があります。そこに行けば、同じ部署の誰かがいて、会話や議論を「観る」ことで、経験則やハイコンテクストな情報が共有される場を目指しつくられたそうです。また、同じ空間を共有しているからこそ、気軽な声かけや相談もしやすく、新入社員や中途入社社員のトレーニングも促進します。

 

また、「ハックルーム」は、1カ月、1週間、1日単位で貸し切ることができるスペースで、合宿スタイルでプロジェクトのキックオフや顔合わせに使うことを想定しています。新入社員などの新しいメンバーが加わった時には、ここで1日一緒に過ごすだけでも信頼関係の醸成に役立ちます。

そして、組織を横断したランダムな出会いの中で自然と発生する雑談を通して、コミュニケーションを促すラウンジもあります。カジュアルでアットホームな雰囲気の中で行われる自然な会話には、議論やアイデアの機会の創出を促し、社員が交流を広げる一助となっています。

このように、コミュニケーション活性化を図るオフィスづくりは、社員が出社する意欲を高める一因となっています。

まとめ

新型コロナウイルスの影響によりリモートワークなどの多様な働き方が広がったことは、オフィスのあり方や役割をあらためて考える機会となりました。

しかし、社員同士のコミュニケーションによるイノベーション創出や、社内の一体感はリモートワークでは物足りない部分があります。そのため、企業が高い成果をあげるためには、社員を出勤させる魅力的なオフィスをつくらなければいけません。ぜひ記事を参考に、「出社したい!」と感じられるオフィス施策を検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

次世代型新オフィス「汐留PORT」をスタート

https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/management/2022-0407-0019

目指すワークスタイル「Performance Based Working」を体現した、電通デジタルの新オフィス

https://www.dentsudigital.co.jp/our-culture/articles/2022/0407-001271#01

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