目次
社内や組織の活性化を図るにはオフィスコミュニケーションが重要なカギとなります。昨今、働き方の多様化はオフィスコミュニケーションのあり方に変化を及ぼしました。
本コラムでは、オフィスコミュニケーションの重要性を確認しながら、現在、求められているオフィスコミュニケーションの内容や具体的な施策事例などを解説します。
オフィスコミュニケーションの重要性
オフィスコミュニケーションとは、オフィスで社員同士が情報や考えを伝達し合い交流することです。コミュニケーションを活性化させると、主に以下のようなメリットが得られます。
- アイデアの創出
- モチベーション向上
- 離職率低下・定着率向上
- 生産性の向上
アイデアの創出
社内全体でオフィスコミュニケーションが活性化すれば、今まで関わりのなかった他部署との交流が増えるでしょう。これにより今まで知らなかった情報や新たな視点を得られる可能性が高まり、企業にとって価値のあるアイデア創出に繋がるかもしれません。
モチベーション向上
オフィス空間が社員同士のポジティブなコミュニケーションで溢れれば、全体の雰囲気がよりよいものに変化します。働くこと、出社することが楽しみになる社員が増えるかもしれません。
エンゲージメントの高まった社員は、今までよりも仕事への意欲が上がります。モチベーションが上がれば、業務の質も向上し、顧客満足度アップにも繋がるでしょう。
離職率低下・定着率向上
以下は、厚生労働省がリリースした「雇用動向調査(令和3年)」内、「転職入職者が前職を辞めた理由」の理由別割合です。定年・契約終了や会社都合などの理由を除いて見てみると、「職場の人間関係が好ましくなかった」が男女共に高い割合となっています。
出典:令和3年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/index.html
職場の人間関係は会社を辞める理由・きっかけとして大きな意味をもつことがわかります。そのため、コミュニケーションによる良好な人間関係づくりは非常に重要です。
生産性の向上
積極的にアイデアが生まれ、業務の質が向上し、優秀な人材が定着するようになれば、自ずと生産性も上がっていきます。
働き方改革が叫ばれる現在、限られた人的リソースで生産性を上げていく必要がありますが、そのためには優秀な人材を育成・定着させることが重要です。良好な人間関係が築け、アイデアなどで「自分らしさ」を出しやすい労働環境は、社員に「働きやすさ」を与え、結果高いパフォーマンスが期待できるでしょう。
今、求められているオフィスコミュニケーションの形とは
働き方改革やダイバーシティなど考慮すべき課題がある現在、従来とは違う新たなオフィスコミュニケーションが求められるようになってきました。
良くも悪くも「いつも通り」になりがちな従来のオフィス環境
従来、オフィスでのコミュニケーションといえば同じ部署や同じ課、同じチームでのみ取りやすく、それ以外の社員とは喫煙スペースなどオフィス外で交流を図る必要がありました。
これは部署ごと、課ごとにスペースを区分けするオフィスレイアウトが大きく影響しています。同じ空間にいつも同じメンバーが揃う従来のオフィス環境では、チームの結束力や仲間意識は強くなるものの、良くも悪くも「いつも通り」な仕事のやり方やコミュニケーションに。新しいアイデアや創造性の生まれにくい環境となってしまいます。
部署、立場を超えた自由で柔軟なイマドキのオフィスコミュニケーション
従来の部署や課ごとに区切られたオフィス環境から一転、現在はフリーアドレスや気軽なコミュニケーションスペースなど、部署や役職などの垣根を超えたコミュニケーションが取れるオフィスが主流となってきています。
またオフィスを通じた、個々人の充実感や満足度を高める取り組みもトレンドです。リフレッシュスペースを導入したり、アクティビティを楽しめるエリアをつくったり、自然なコミュニケーションが生まれる工夫を凝らした企業も増えてきています。
オフィス環境だけでなく、チャットツールの導入や社内SNSなどの導入もイマドキなコミュニケーションの形です。これらツールを活用することで、同じ部署やチーム内でも気軽でフランクなコミュニケーションが取れるようになり、アイデアや創造性の向上にも繋がります。
働き方の変化に合わせて職場環境をアップデートしているサイボウズ
2022年8月、コロナ禍を機に執務エリアの一部をリニューアルオープンしたサイボウズ。リニューアルテーマである「Cy/Cle(サイクル)〜変化に対応し続ける〜」の通り、社員の働き方の変化に合わせ、"働く場のアップデート"が施されたような要素が散りばめられています。
オープンな執務レイアウトやフリーアドレスデスク、気軽なミーティングスペースはもちろん、カフェスペースなどチームで交流できる場所も用意している点が特徴的。人が集う仕掛けが施されており、コミュニケーションのきっかけに繋がりそうです。
また音環境に配慮した完全個室などソロワークにもうってつけのスペースもあるなど、さまざまな働き方に対応。在宅勤務と出社のハイブリッドワークに対応しながら、コミュニケーションの活性化も図れるオフィスとなっています。
コミュニケーション活性化に繋がる施策事例
先ほどご紹介したイマドキのオフィスコミュニケーションの形を踏まえつつ、具体的な施策をいくつか集めてみました。
オフィスコミュニケーションにおいては、そもそものオフィス空間のレイアウトは最重要ですが、付随してツールや仕組みの導入も欠かせません。複合的に施策導入を図るのがおすすめです。
- レイアウト変更
- シェアキッチンや社内Bar
- オンラインコミュニティ導入
- 社内報・社内SNS
- ワークショップイベント
レイアウト変更
従来の会社のレイアウトといえば、部署ごとにデスクがまとめて並べられた島型で、どこの会社も似たり寄ったりといったものでした。しかし現在はオフィスコミュニケーションのため、会社ごとに工夫されたレイアウトでの空間づくりが進められています。
たとえば以下のようなデスク配置を導入する企業が増えています。
ほかパーテーションを設けている企業は、それを取り外すだけでも開放感が生まれおすすめです。
またリフレッシュスペースやカフェスペースなどのマグネットスペース、フリーミーティングスペース、立ち話スペース、個人の集中作業用スペースなど、さまざまな用途のスペースをオフィス内に構築するのもオフィスコミュニケーションの活性化に有効です。
シェアキッチンや社内Bar
先述したリフレッシュスペースやマグネットスペースのアイデアとして、シェアキッチンや社内にBarを設ける企業もあります。
たとえばシェアキッチンを設ければ、料理を通じて新たな社員交流が生まれます。また共同作業から、チームの結束間にもよい影響をもたらすでしょう。
社内にBarを設置する企業も、近年増えてきています。アルコールを通じたカジュアルな社内コミュニケーションをもたらすのはもちろん、社外の方が訪問した際のちょっとしたネタにもなります。そのままカジュアルな会食の場として利用することもできるのだとか。
オンラインコミュニティ導入
オンラインでのコミュニケーションが当たり前となった今、オンライン上の雑談場所として「オンラインコミュニティ」を設ける企業が増えてきています。コミュニティは業務に関する場所はもちろん、キャンプや写真、料理など普段の趣味に関連した場所を作ることで、仕事以外の社員間コミュニケーションが促進される有益な取り組みです。
オフィスにいてもいなくても、社内の人と仕事以外で繋がれるコミュニティスペースは、「会社とのよりよい繋がり」をもたらし、帰属意識にも影響するでしょう。
社内報・社内SNS
オンラインコミュニティの関連として、社内報や社内専用SNS、動画配信、ラジオ配信などもおすすめです。とくにSNSやラジオ配信は、社員同士の気軽なコミュニケーションが生まれやすいでしょう。チームメンバーの新たな一面を見つけ、より仲を深めるきっかけにもなります。
ワークショップイベント
お花見やBBQなどの「よくある飲み会イベント」だけでなく、社員たちが一緒に動いて楽しめるような趣味ベースのワークショップも、コミュニケーション活性化に有効です。
例えばヨガやピラティスなどのワークアウト系、料理教室、カメラ勉強会、クラフト体験などなど・・・業務とは違ったジャンルで開催し、趣味の領域で社員交流を深めることで、新たな繋がりが生まれやすくなるでしょう。
まとめ
オフィスコミュニケーションの活性化にはさまざまなメリットがあり、最終的には企業の生産性の向上、そして企業価値の向上へと繋がります。形だけの導入ではなく、しっかり社員にヒアリングした上で施策導入すると、より効果を見込めるでしょう。
参考資料
カフェにBARに公園も! サイボウズの日本橋オフィスが実用性と居心地を見事に兼ね備えていてすごい | サイボウズ式 https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m001002.html