文=安田洋平(株式会社アンテナ)
2007年に中野南口でオープンした、10坪にも満たない小さなバル、「vivo daily stand」。
タパスが本当にお酒とよく合う。
グラスワインの種類も充実、メニューの説明書きも丁寧で頼みやすい。
中野で飲んだり食べたりと言えばブロードウェイやサンモール等の商店街がある北口、と思われるかもしれませんが、実は最近南口の裏路地が面白いんです。北口の賑やかな雰囲気とはまた違う、静かで隠れ家的で落ち着ける、そんなお店がこのあたりにひそかに増えています。喧騒を楽しむ北口と、静かに飲む南口。この使い分けが楽しい。中野と言えば雑然とした街というイメージが強いかもしれませんが、実はいろんな顔があるんです。
というわけで今回は「vivo daily stand」に行ってきました。代々木、高田馬場、そして先日新橋に4号店がオープンしたばかりと、姉妹店が相次いで出来て話題になっているスペインバルなのですが、その1号店と言えばここ中野の南口。10坪にも満たない「マイクロバル」として知られています。お酒もタパス(スペイン語でいうお酒のツマミのこと)も、その多くが400~600円と気軽な値段。どこかに出かける前にちょっと飲みながら相手を待つとか、結構いろんな用途に柔軟に使えるんですよね。それとお店の外装がお洒落なのに、なぜか肩がこらなくて居やすい雰囲気。干渉もないけど、疎遠でもないこの空気の丁度よさ、地域に密着したバルというのはこういうものなのかな。
大げさではないんです、何もかも。タパスも基本、シェフの人が作り置きしておいたデリを店長が温め直して出すだけ。でも抜群に美味い。お酒との相性もばっちり。ホワイトアスパラガスのオイル漬け、パルメザンとグリエール2種類のチーズを使ったクロスティーニ、牛ひき肉とポテトのオーブン焼き、鰯の酢漬け。これを読んでいるだけでも・・・、飲みたくなってきますよね?
先日の夜は、ちょい飲みのつもりで寄って、気づけば友人と本気飲みしてしまいました。僕は事務所が神田なのですが、このバルに通うために神田から中央線に飛び乗って中野に通ってもいいかもしれない。ここが会社からの帰り道にあるって相当労働環境として羨ましい。と、余韻にひたりながら家路に着いた次第。
- vivo daily stand
http://www.vivo.tokyo/