+PLUS 働く空間に何かをプラスする 今までのビジネスに何をプラスしたら、もっと働きやすい環境が実現できるだろう?

+DESIGN 日本のオフィスにはユーモアが必要だ!

文=安田洋平(株式会社アンテナ)

インターホン

オフィスのエントランスの前まで行くと
唐突にムニュッと出てくるインターホン。
お客さんは少々びっくりします(笑)。

DJブース

スピーカー部分がまるで目玉みたいなDJブース。オフィスにバーテーブルとこいつがあったら、
かなり和んだムードになりそう。

バッタ☆ネイションのオフィス、通称「Co-Net」

バッタ☆ネイションのオフィス、
通称「Co-Net」。
U-streamによる中継機器があり、
料理ができるキッチンがある。  

写真提供=有限会社バッタ☆ネイション

右は某会社のインターホンです。ビルに入ってエントランスの入り口の前まで来ると「御用ですか?」。あたかもお出迎えと言わんばかりにいきなり壁の1箇所だけがムニュッとせりあがって出てくる仕組み。センサーによるものですが、来客の方の中には「いきなり出てこられてどうしていいか困りました」という人も少なくないとか(笑)。この受付をつくったデザイナーさんに「それでいいのですか?」とお聞きしたら、「いいんです。だって、それ自体が会話のネタになるじゃないですか。初めて来たお客さんとその話をしたら、ちょっと和んだ雰囲気になれる。また、ここの会社は何かちょっと面白いことをやるんだろうなという第一印象は、外部の方に対して確実に与えられるはずです」。 

デザインしたのは(有)バッタ☆ネイションで、オフィスの内装など空間デザイン全般を担当する岩沢 仁さん。岩沢さんの手がける空間やアイテムにはちょっとしたユーモアがスパイスとして付け加わっていることが少なくありません。文字盤が大きい割に時針・分針がやたら小さい壁掛け時計とか、足の部分が一輪車の車輪になっているホワイトボードとか。「これからの時代、ちゃんと機能することはもちろんですが、一番大事なのはそれがきっかけで会話が生まれるということだと思うのです」。確かに、“なんか変ですよね”という状態は、コミュニケーションを生む最高のフックとなり得るかも?

しかし、そんなアイデアはいったいどこから湧いてくるのでしょう。岩沢さんに尋ねてみました。「街をふらふらして、そこで受ける雑多な刺激を大事にしています。机の前に座っているだけでは所詮その場所でしか思いつけないものしか出てこない。けれども街に出て『違うもの』を見ると、それまで自分の中になかったものが付け加わって、新しいアイデアとなって出てくる」。 

また、岩沢さんのオフィスも、さまざまな業界の人間がゲスト参加する座談会がU-streamで生中継されるイベントが催されたり、料理教室が開かれていたりと、さまざまな光景が繰り広げられている場所です。「場所って、型にはまってしまうとそれだけ居心地が悪くなってしまいますから。それに、いろんなものが入りこんできて交流しあう空間の方が、いい仕事とかクリエイションにつながるのではないでしょうか?」。

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