+PLUS 働く空間に何かをプラスする 今までのビジネスに何をプラスしたら、もっと働きやすい環境が実現できるだろう?

+TOWN 桜並木を歩き、「考える人」になる

文=安田洋平(株式会社アンテナ)

桜

中野は駅前から延々と桜並木が続いており、
この街の生活の楽しみのひとつです。

桜

桜を愛でつつウォーキング&シンキング。

桜

写真を撮ったときは、七分咲きでしたが、この後さらに見事に咲き誇りました。

煮詰まったら、まずとにかく外に出て歩くこと。歩きながら考えるとなぜか良いアイデアが浮かんできたり、今まで迷っていた事柄に対する答えが自然と出たりするから不思議なものです。そういえば、誰かが言っていたっけ。「人は足で考える」。
良い並木道があることは、オフィスを持つ場所の環境を考えるうえで意外に重要な要素かもしれない。そんなことをちょうど今、中野通りの桜並木をのんびりと歩きつつ思っているところです(編集部注:本原稿は2011年4月2日に執筆されました)。

2キロメートルにわたって桜ロードが切れ目なく続いているこの道、都内にある桜の街路としては、3キロにわたって400本の桜が咲き誇る国立市の大学通りに続き、2番目に長い桜並木なんだとか。昭和23年頃に行われた区画整理と道路の拡幅に併せて植えられたそうです。満開のタイミングで訪れると、さながら桜のトンネルです。JR中野駅北口を出て中野サンプラザ横から新井薬師梅照院を過ぎ、西武新宿線の踏み切りも越え、さらに隠れた花見のスポットとして知られる哲学堂公園に至るまで、駅から歩き始めて30分経ってもまだ桜が終わらないことにはさすがに驚きました。

ふと、舞い下りてきた桜の花びらを見ながら徳川家康の遺訓として知られる言葉が思い出されました。「人の一生は重き荷を背負いて遠き道を行くがごとし/いそぐべからず 不自由を常とおもへば不足なし/こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし」。今年は桜が特に心にしみます。のどかに桜が見られる今日に感謝。さあ、明日も仕事だ。

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