文=安田洋平(株式会社アンテナ)
Open A代表・馬場正尊さん
Open Aが手がけたオフィスのひとつ。
ガラスハウス状の作業空間の回りを、
半分屋外のようなラウンジが囲んでいる。
(撮影=Open A)
オフィスをレイアウトするときに
もうひとつ心がけているのが
「つい○○してしまう感覚」と言う馬場さん。
写真は、ミーティングルームの壁全部を
ホワイトボードにしてしまった事例。
(撮影=阿野太一)
写真提供=Open A
「オフィスって、どうレイアウトすればいいの?」。一級建築士事務所「Open A」の代表であり、独自の視点と発想で不動産物件の新たな魅力を発見するサイト「東京R不動産」のディレクターも務める、馬場正尊さんに聞いてみました。
「最近オフィスのレイアウトについての考え方がかなり変わってきたなと感じています。昔はオフィスと言えば執務をするスペースというイメージでした。したがってレイアウトも作業をするための場所という前提で行われていました。しかしこれだけネット環境や携帯端末が進化してきた現在、人は家でもカフェでも、いろんなところで作業自体はできるようになってきている。だから今、オフィスという場所に意味があるとすれば、それは『ミーティングをする』空間としてではないかということになってきたのです」
だとすれば、具体的にはレイアウトのポイントはどんなところにあるのですか?
「多様な風景を持ち込む、ということが大事ではないかと思います。たとえば広いオフィスのなかで窓際にベンチのような椅子があって、何人かで溜まれるようになっているとか。バーカウンターがあって肩の力を抜いてマンツーマンで話せるとか。ある一角だけ床がウッドデッキのようになっていて、車座になって話せるとか。集中してチームミーティングができるよう、数人で籠もれる小屋みたいな空間があるとか。たとえ広いフロアでも、ちょっとした道具立てによって、その中での気分や集中力にメリハリを演出することが出来るのです。これまでのオフィスは『均質』であることを基本につくられていましたが、これからは『多様』な空間をつくり出すことが良い発想やチーム力を生むために求められていくと考えています」
- 馬場正尊さんが代表を務める設計事務所「Open A」のホームページ
https://www.open-a.co.jp/ - 新しい視点で不動産を発掘するサイト「東京R不動産」
https://www.realtokyoestate.co.jp/