文=安田洋平(株式会社アンテナ)
100数十軒の店が並ぶ中野サンモール商店街。
駅南口から歩いていける島忠ホームセンター。
大衆的な飲食店が充実している。
調べれば調べるほど中野というところは「使える」街だと思うようになってきました。
まず、交通利便性がかなり良い。新宿駅まで5分、渋谷まで15分、出張で東京駅に向かっても20分で行ける。しかも中央線は他の路線より終電が遅いことはとみに知られている。東西線は始発駅なので座れる。どちらの線も発車間隔は3~5分という短さである。
2つ目は商店街が充実していること。駅を降りてすぐの商店街、中野サンモールには240mの通りの両側に、ドラッグストア、金券ショップ、ベーカリー、ユニクロ、総菜屋、ファーストフード、カフェ、和菓子屋などが軒を連ねる。お洒落ショッピングストリートではないかもしれないが、駅前にてすべてワンストップで揃うメリットは大きい。出張のための格安チケットを買うにしても、営業先へ持って行く菓子折りを調達するにしても、仕事の帰りに日用品を補充したり今晩のおかずやパンを買って帰るにしても、とにかく使い勝手が良い。華より実である。屋根付きのアーケードなので雨の日でも濡れずに済む。中野サンモールから続く中野ブロードウェイの4階には内科・眼科・皮膚科・歯科といったクリニックの集積もある。駅から徒歩10分もしないところに、大きなホームセンターがある街も他にはそうないだろう。手近で何でも揃う――かつ、もし中野駅前で揃わないものがあったとしたら? そのときは新宿に出ればいいのだ。
3つ目はラーメン店、定食屋、居酒屋、焼肉、もつ焼き屋など、リーズナブルで大衆的な飲食店の数が多いこと。スナック、バーなども多い。ライブハウス、Rock&Jazzバーなど中央線文化の香りもある。一方で、自然食のお店などが多く、また何よりお値打ち感に長けた店が目立つので、シビアな生活者感覚を持つ女性からの評価も高い。
「住んでみてよかった街」としての評価が高いこの街の利点、オフィス立地としてのポテンシャルとしても見逃すべきではないでしょう。